整備アーカイブになります。デイズの故障診断の続きです。結局、クランク角センサーがエンジン側の不具合を正確に異常値を拾って。、正しく誤信号をコンピューターが認識し、正しく不具合を教えてくれた(チェックランプ点灯)事案でした・・・。これぞ、まさしくフェイルセーフの考え方です。まあ、エンジンが故障してしまったんですけど・・・。(セーフじゃね~しw)
さて、この事案、この3B20ターボのエンジンはちと内情がございまして、当初リビルドエンジンにて対応しようと思ったのですが、何とこのエンジンのリビルドは持ち込み案件なんだそうです。なんじゃそりゃ?どういうことかと申しますと、エンジンを発送し、発送先で分解し、ダメな個所を整備して、エンジンを組み立てて(リビルドして)当店へ返す。というもの。ですので、リビルドエンジンの価格というのはあくまで概算であるということ。いくらかかるかは分解しないと分からない。というのもです。それでもやるっていう需要はあるらしいので、おおよそ送ってから1~2週間が目安・・・。う~ん、それでは・・・中古エンジンを探しますが・・・ターボはない・・・。との事。だったら当社でオーバーホール作業した方が、安く、早く出来そう・・・。
あとはお客様次第ということで・・・。乗り換えになりました。\(゜ロ\)(/ロ゜)/
そして、車両は工場内にまだございまして、こんなことが本当にあるのか?調べてみたくなりました。
ということで、まずは3B20エンジンのカットモデルが無いか?ネットで調べてみましたところ・・・ありました!
確かにクランクシャフト①番とブロックの間にピックアッププレートがありますね。
翌日、オイルパンを剥ぐって、確認してみました。
まず、エンジンオイルに何か混じってるか?綺麗なステンレスパンで確認します。おっと、少し滲んだ~キラキラ宮川大輔~が浮いてます。w「やはり、何かあるね」オイルステッカーを見ると1月に他店にて、オイル交換をしてます・・・。それがこの故障と直接関係あるか否か判りません・・・。万が一、異物混入がなんて・・・。イッイカン(;^_^A妄想が・・・。
それから、オイルパンを剝ごうと試みます・・・。しかし、硬い!!!オイルパンカッターも中々前に進みません。こういったところはしっかり作っているようです。ようやく外れました・・・。
今のエンジンは、オイルパンとクランクシャフトの間にプレートがあって、これは波打ったりしないようにしている?オイルが入りすぎてもクランクシャフトに抵抗にならないように?遠心力や勾配時でもエアを噛まないよにオイルポンプが吸えるようになっていますね。
そして、タイミングプレートもありました(@_@)
でも邪魔なので、外してみました。
で、タイミングプレートを見ますが、緩んだ形跡はございません。凹凸の変形を確認するために、クランクシャフトを回して確認していると・・・。
ん?あれ?回らないぞ???引っかかった???何故???
タイミングチェーンも見れるので、恐る恐る見てみると・・・。
あ~~~~~~~。ビンゴ!!!オートチェーンテンショナが完全に壊れてる。全くチェーンを保持できない状態です。
っすすいませんm(__)m肝心のチェーンテンショナーが写ってませんでした( ̄▽ ̄;)
これですべてが繋がりました。チェーンがたるんで異常が起こっていました。しかも空回りする時もある位。だから、時折「カンカン」音が出てたのは、バルブがピストンに当たっている音でした。
後でお客様にどういった感じだったか?営業の方が聞いた話によると、実はずいぶん前からエンジンの調子が悪かったとの事です。その時に、もう少し前に診断出来れば、このような大事を防げたかもしれません。
昔は、実はこういった故障も少なからずありました。タイミングベルトの時代に良くも悪くもウオーターポンプがロックして、カムスプロケットの歯飛びによるエンジン始動不良。甲高い異音が出てたり、もしくは吹けが悪いなど。その時には、水漏れも起こしてたりしてたから、原因も比較的すぐに判りました。
タイミングチェーンがメンテナンスフリーになって久しく、永遠に機械が壊れないってことはないということを今回の事案で改めて学ばせて頂きました。エンジンが少しうるさかったりしたら、こういった所が不具合の前兆であると言う事も頭に入れておかないと・・・。でも、今のエンジンは補正してしまうから、調子が悪くなりづらい故、突然不具合になる可能性があるということをまた勉強させられました。補正の悪い部分ですね。補正技術も表裏一体ですね。
あっ、圧縮も分解する前に一応測りました。①1.1②1.1③1.05 圧縮比が0.9ですから、まあこんなものか??
ということで、高度診断整備が終わりました。いや~、ご清聴ありがとうございました。m(__)m
それでは皆様、ご安全に♪